「対話」が人を育て、チームを強くする

デジタルが進化しても、人を動かすのは「対話」というアナログな力。

対等に人と向き合う「対話」で人は育つ

社会人、特にリーダーにとって一番大切なスキルは「対話」だと私は考えています。特別な演説や難しい言葉はいりません。大事なのは、誰とでも対等に、同じ目線で話せることです。上司でも部下でも、子どもでもお年寄りでも対等に、同じように向き合う。それが、本当の意味での「対話」です。
人と話すのが苦手だという人を否定はしませんが、コミュニケーションの機会が少ないと、やはり視野が狭くなり、自分や周囲の良さを引き出すことが難しくなります。だからこそ、話すことを恐れず、自ら人と関わっていくことが、社会人としての成長の第一歩です。

「話し上手」より「聞き上手」であれ

よく「話し上手になりたい」と言う人がいますが、私はむしろ「話し好きにならないようにしよう」と伝えたいです。話好きの人は自分が話したいだけ話して終わってしまう傾向があり、肝心のチャンスや学びを逃してしまいます。理想は「聞く8:話す2」くらいのバランスがベスト。
特にリーダーには、部下や仲間の声を受け止める「聞く力」が不可欠です。「どうせ不満ばかり」「大した経験がない」と決めつけてはいけません。真正面から向き合い、相手の思いに寄り添う。その共感力こそが、チームをコミュニケーション不足から救い、自分やチームの仲間を成長させてくれます。

必要なのは、デジタルとアナログの融合力

弊社には対話を大切にする企業文化があります。私自身も含め、各部署での定期的な面談、朝礼やミーティングなどで、社員同士が直接話す機会を意識的に設けています。最近気になっているのは、オンラインでのコミュニケーションが増えていること。離れた場所にいてもPCやスマートフォンのディスプレイ越しに顔をみながら会話ができるのは大変便利です。一方で、実際に顔を合わせて行う会話には、ニュアンスや熱意が伝わりやすという強みがあります。面と向かって「おはようございます」と声をかける。その瞬間にこそ、人と人とのつながりが生まれ、チームに温かい空気が流れます。そうした小さな対話の積み重ねが、信頼関係を築き、職場を強くしていくのです。
「デジタル」の活用はこれからも進めていきますが、同時に、挨拶や声かけといった「アナログ」なやりとりが、これからの時代にますます大切になってくると考えています。

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